DJI、業界をさらに進化させる究極のドローン「Matrice 350 RTK」を発表
刷新された映像伝送システム、より効率的なバッテリーシステム、 ペイロードによる幅広い拡張性などの特長を備え、業界の新たな基準を確立
2023年5月18日 – 民生用ドローンと空撮テクノロジーで世界をリードするDJIは、本日、Matrice 350 RTK(以下、M350 RTK)を発表し、業務用ドローンの新たなスタンダードを確立します。日常業務でも、捜索救助ミッションでも使用できる進化したフラッグシップドローンM350 RTKは、適用性、安全性、効率性が向上し、公共安全、エネルギー、マッピング、インフラ、林業などで活躍します。
「世界中の業務用ドローンのパイロットが、従来のツールよりも安全かつ効率性が高いDJIプラットフォームを使用して業務を遂行していることは、とても喜ばしいことだと思います。M350 RTKの最新技術を駆使した新機能を使うことで、ドローン業務でできることをさらに広げることができます。」と、DJIのコーポレート ストラテジー担当シニアディレクター、Christina Zhangは述べています。
さらにパワフルな性能で、より幅広いシナリオで活躍
M350 RTKは、最大飛行時間55分[1] を実現すると共に、最大2.7 kgのペイロードを搭載でき、業務に使用できるペイロードの幅が広がります。また、新しいDJI O3 Enterprise伝送システムを採用し、3つのチャンネルを使用し、1080p HDライブ動画[2] を伝送します。さらに、最大伝送距離は20 kmを達成しています[3] 。この優れた伝送性能は、搭載の4アンテナ送受信システムにより実現され、送信時は4つのアンテナから通信状態が最適な2つのアンテナを自動選択して送信し、受信時は4つのアンテナを使用して受信します。これにより、耐干渉性が大幅に向上し、さらに安定した伝送が実現します。
進化した飛行安全性
通常、業務用ドローンや捜索救助用ドローンを使用するミッションでは飛行条件が良好になるのを待つ時間的余裕はありません。そのため、M350 RTKでは、保護等級が前モデルのIP45からIP55に向上し、FPVカメラが更なる進化を遂げ、より分かりやすいナビゲーションで、安全な夜間飛行が可能になりました。また、M350 RTKは、新たにアームロック検知機能を搭載し、アームスリーブがロック解除状態で飛行を開始してしまうリスクを回避できるため、パイロットは安心して飛行に集中することができます。さらに、6方向デュアルビジョンシステムと赤外線検知システムを搭載し、6方向への検知、測位、障害物検知を可能にし、飛行中、機体を包括的に保護するため、安心して業務を遂行できます[4] 。飛行安全性をさらに高めたい場合は、オプション品のCSMレーダーをご利用いただき、ドローン上部に取り付けることで、水平方向360°で最大30 m[5] の範囲で認識しにくい障害物を検知できます。加えて、M350 RTKは、機体とセンサーシステムの両方に冗長設計を採用、厳しい環境でもより安定した制御で業務を遂行することができます。
効率性アップ
M350 RTKには、送信機DJI RC Plusが標準で同梱されています。この送信機は、7インチ高輝度画面を搭載し、デュアル制御モード対応しており、標準WB37外部バッテリーを使用すれば最大6時間の駆動時間を実現します。保護等級IP54の防塵性・防水性を備え、-20℃〜50℃の環境で動作できるDJI RC Plusは、極暑・極寒環境下でも、時間に縛られず、業務に対応できます。送信機の前面、背面、上部にボタンやダイヤルが複数配置され、さらに、ユーザーの好みに合わせて、ボタン機能をカスタムできるため、直感的で柔軟な操作体験を提供します。DJI RC Plusには、DJI Pilot 2アプリがインストールされており、ドローン操作やプロジェクト管理に必要な様々なオプションを提供し、業務の効率性をさらに向上させます。
インテリジェント機能は、どんなドローン業務でも、効率性と安全性を大きく向上させることができます。AIスポット点検は、定期点検を自動化し、繰り返し撮影する際の精度を向上させます。ピンポイント機能は、簡単なタップ操作で被写体に印をつけ、その被写体の座標を計算し、全てのカメラビュー上で、ARアイコンを使って表示するため、特に捜索救助ミッションで有用な機能になっています。
飛行コスト削減
M350 RTKのTB65バッテリーは、充電サイクル回数が最大400回(前モデル比100%増)となり[6] 、1回の飛行にかかるコストを低減しています。また、デュアル バッテリーシステムを採用し、バッテリーのホットスワップに対応しているため、電源を切らずに素早くバッテリーを交換でき、効率的に次の飛行を再開できます。
新登場のBS65 インテリジェント バッテリーステーションは、バッテリーの充電、保管、輸送の全てに使えるワンストップ ソリューションです。複数の充電モードを搭載し、状況にあったオプションを選択できます。例えば、長期間バッテリーを使用しない場合には保管モードを選択し、バッテリーを50%まで充電することによりバッテリー寿命を延長できます。飛行準備モードでは複数のバッテリーペアを90%まで充電し、いつでも作業を始められるように準備を整えることができます。
バッテリーステーションがDJI RC Plusに接続している時、DJI Pilot 2アプリはバッテリーステータスとバッテリー状態情報を表示します。また、自己放電日数の設定、ファームウェア更新、ログのエクスポート、他のクイック操作へのアクセスが、タップ操作だけで簡単に行えます。
バッテリーステーションには全方向に移動可能なキャスターが付いており、輸送や移動がしやすくなっています。
パワフルなペイロード
M350 RTKは、シングル下方ジンバル、デュアル下方ジンバル[7] 、シングル上方ジンバル[8] といったペイロード装着方法に対応し、E-Portオープン インターフェースを搭載しています。最大積載量2.7 kgで、機体は最大3つのペイロード(別売)を同時に積載でき、公共安全や点検、マッピングといった様々な業務シナリオでのニーズを満たします。
Zenmuse H20シリーズ:ズームカメラ、広角カメラ、サーマルカメラ、レーザー距離計の4つのセンサーシステムが、高度かつスマートなアルゴリズムと連携し、優れた検知性能と撮像性能を実現します。
Zenmuse H20N:ズームカメラと広角カメラにスターライトセンサーを搭載しています。また、2つのサーマルズームカメラやレーザー距離計を併用すれば、ハイブリッド方式のペイロードとして、幅広い業務で活躍します。
Zenmuse P1:フルサイズセンサーと交換可能な単焦点レンズを3軸ジンバルスタビライザーに搭載しています。航空写真測量用に設計され、効率と精度をまったく新しいレベルに引き上げます。
Zenmuse L1:Livox製のLiDARモジュール、高精度IMU、およびマッピングカメラを搭載しています。飛行プラットフォームに装着時、L1は終始リアルタイムで3Dデータを取得でき、複雑な構造でも詳細データを効率的に捉え、高精度の再構築モデルを提供する完璧なソリューションを形成します。
サードパーティー製ペイロード:ガス検出器や拡声スピーカー、マルチスペクトル センサーのようなカスタムペイロードを、DJI Payload SDK経由でM350 RTKと組み合わせることができ、適用分野を拡大します。
スマート オペレーション
DJI Enterpriseドローンは、業務中のエンドユーザーの安全を確保し、作業を円滑化するために設計されており、M350 RTKも例外ではありません。ウェイポイント、マッピング、オブリーク、飛行帯ミッション、地形フォロー[9] 、スマートオブリーク[10] 、ピンポイント、ライブミッション記録、AIスポット点検など、豊富なインテリジェント機能を使用して、空撮プラットフォームを最大限に活用することができます。
高精度マッピング:M350 RTKは、ウェイポイント、マッピング、オブリーク、飛行帯ミッションをサポートします。地形フォローとスマートオブリークは、効率的なデータ収集に使用することができ、DJI Terraと併用すると、高解像の2Dや3Dデジタル画像を素早く取得でき、高精度かつ高効率のマッピング業務を実現します。
上空と地上間の連携:高精度なピンポイントやクラウドベースのリアルタイムマッピング[11] といった機能を使用することで、M350 RTKは、上空と地上、そしてクラウド間の連携を実現します。機体が画像収集を完了した後、DJI FlightHub 2は、業務現場のモデリングを素早く実行することが可能で、機体オペレーターと地上にいるオペレーターにコマンド情報を伝送します。送信機とFlightHub 2は、共に点/線/面での描画やリアルタイム アップロードに対応し、機体と連携して、リアルタイムでオペレーションビューをライブ配信できるため、上空と地上間の連携が必要な業務において、コミュニケーションの弊害を取り払えます。
高精度の自動点検:ライブミッション記録を介して、M350 RTKは、飛行ルートファイルを生成・保存可能で、そのファイルを使って、いつでも自動化されたオペレーションを実行でき、繰り返しの多い点検作業も簡単かつ効率的に行うことができます。AIスポット点検[12] を使用する時、M350 RTKは、自動での構図合わせや撮影対象の手動選択に対応し、繰り返し撮影する際の精度や点検作業の品質を向上させます。
拡張可能なエコシステム
DJI SDKとAPIエコシステムを利用することで、オペレーターは、使用しているM350 RTKをより最大限に活用することができます。
Payload SDK:ガス検知器、拡声スピーカー、マルチスペクトルセンサー、計算モジュールといった様々な種類のサードパーティ製ペイロードを取り付けて、より広い用途で、このドローンプラットフォームを活用することができます。Payload SDKは、E-Port、SkyPort V2、DJI X-Port[13] に対応し、ペイロード開発の周期を大幅に短縮することができ、様々な撮影シナリオでお使いのペイロードのポテンシャルを最大限に引き出します。E-Portは、Payload SDK V3以降のバージョンに対応し、Payload SDKを使用して開発したMatrice 30シリーズ用のサードパーティ製ペイロードと互換性があります。
Mobile SDK:様々なサードパーティ製モバイルアプリを使用して、お使いのドローンプラットフォームの可能性を広げ、特別なミッションのニーズを満たせます。Mobile SDKを活用することで、M350 RTKは、カスタム可能なモバイルアプリを開発することができます。
クラウドAPI:クラウドAPIを使うことで、DJI Pilot 2アプリを介して、M350 RTKをサードパーティ製クラウドプラットフォームに直接接続でき、データ転送やライブ配信、飛行ルート割り当てといった機能にアクセスできます。
価格と販売時期
販売価格、予約注文など詳細はDJI Enterprise正規販売代理店までお問い合わせください。
製品の出荷は、2023年5月下旬より開始予定です。
DJI Enterprise正規販売代理店: https://www.dji.com/jp/where-to-buy/enterprise-dealers
推奨基本製品構成と参考価格をご案内します。
• 推奨基本製品構成:Matrice 350 RTK + ペイロード + DJI Enterprise Sheild
• 機体本体参考価格:約100万円(バッテリーと充電器は含まれません)
※バッテリーなどのアクセサリー類は、基本製品構成には含まれていません。
製品の詳細:https://enterprise.dji.com/jp/matrice-350-rtk
DJIについて
2006年以来、DJIは民間用ドローンのイノベーションで世界をリードしてきました。これにより、個人が初めて飛行できるようになり、先見の明のある人が想像力を現実に変え、専門家が仕事を完全に変革できるようになりました。今日、DJIは人類の進歩を継続的に促進することで、より良い世界の構築に貢献しています。ソリューション志向の考え方と純粋な好奇心により、DJIは農業、公共安全、測量・マッピング、インフラ検査などの分野にその志を広げてきました。DJI製品は、あらゆる用途において、これまで以上に深い形で世界中の人々の生活に価値をもたらす体験を提供しています。
www.dji.com/jp | facebook.com/dji.jp | twitter.com/djijapan | youtube.com/DJIJapan | instagram.com/dji_japan | www.linkedin.com/company/dji © 2023 DJI JAPAN. 記載されている会社および商品名は、各社の商標または登録商標です。
[1] 無風環境下、Matrice 350 RTKをペイロードなしの状態、バッテリー残量が0%になるまで約8 m/sで飛行し測定。このデータはあくまで参考用です。実際の使用時間については、アプリで表示されるリマインダーにご注意ください。
[2] デュアル制御モードが必要。
[3] 障害物、電波干渉がなく、FCCに準拠している場合。(日本国内は8 km)最大飛行高度約120mを飛行してる時の測定値です。飛行中、アプリ上に表示されるリマインダーに注意。許可がない限り、常に目視可能な場所でドローンを飛行させてください。(日本国内は、8 km) このデータはあくまで参考用です。飛行中、アプリ上に表示されるリマインダーに注意を払ってください。
[4] ビジョンセンサーと赤外線センサーには、特定の範囲で死角があります。測位と障害物検知性能は、飛行環境や障害物の特質により、影響を受ける可能性があります。慎重に飛行してください。
[5] 検知対象のレーダー反射断面積が0.4 m²以上の時に測定。有効検知範囲は、障害物のサイズや素材によって変化する場合があります。
[6] 電池残量が90%以上である累積日数が12ヶ月間で120日未満の場合、最大400サイクルを記録。
[7] ジンバルコネクターは別売です。
[8] ジンバルコネクターは別売です。
[9] この機能を使用するには、送信機がインターネットに接続し、DEMファイルをダウンロードする必要があります。
[10] この機能は、Zenmuse P1が必要です。
[11] DJI FlightHub 2が必要です。
[12] この機能は、Zenmuse H20シリーズのペイロードが必要です。
[13] 機体にはE-Portが搭載されています。一方、SkyPortとX-Port部品は別売です。